住宅の豆知識
建築の未来を支える制振技術
現代の建築物は、私たちの生活や仕事の場など、命や財産を守るうえで重要な存在となっています。しかし、近年、地震の頻度や強度が増しており、将来の大規模地震の発生が懸念されています。地震大国ともいわれる日本では、全国各地で起こる小さな地震活動も活発です。
地震だけでなく、風などの外力による振動に晒されることもあります。これらの振動が及ぼす災害のリスクを軽減するため、人々の命や財産を守るために、『制振ダンパー』と呼ばれる振動制御技術が登場し、建築の世界で注目を浴びています。
そこで今回は、制振ダンパーとは何か、どんな効果があるのか、実際の応用事例等、建築の未来を支える技術について皆さんと理解を深めていきたいと思います。
目次
概要
制振ダンパーもたらす効果
制振ダンパーの応用事例
最後に
概要 |
制振ダンパーとは、その名の通り「振動」を「制御」する装置のことです。これらの装置が振動を吸収、減衰することで建物の振動を抑える役割をもちます。
では、よく耳にする「耐震」とは具体的に何が違うのだろう?と疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。下の図をご覧ください。
「耐震」と「制振」では、地震等の揺れ対策である点は共通しています。ですが、特殊な装置や機構を利用して振動を抑制する「制振」と、建物の構造そのものを強化する「耐震」と、その目的やアプローチの仕方が異なります。両者が相補的な役割を果たすことで、より安全かつ快適で、耐久性の高い建築物となります。
制振ダンパーがもたらす効果 |
制振ダンパーを導入することで得られる効果は大きく分けて4つあります。
このように、先進ダンパーによって抑えられる振動は、耐震性や安全性性だけでなく、暮らしていくうえでの快適性と建物自体の品質維持につながります。
応用事例 |
例えば、皆様ご存じの「東京スカイツリー」が挙げられます。東京スカイツリーは、地震や強風による振動に対する安定性が求められる建物です。そのため、建物の中に制振ダンパーが設置されています。制振ダンパーは地震時や強風振動を吸収し、建物全体の振動を制御する役割を果たしています。これによって、東京スカイツリーは安定した状態で立ち続けることができます。
最後に |
これらを踏まえ、シエルホームデザインでは、6月より制振ダンパー「evoltz(エボルツ)」を導入し、さらに安全かつ快適な暮らしを叶えた究極の『リゾートに、住まう』住宅づくりに取り組んでいます。
次回は、弊社で導入した「evoltz」について詳しくご説明していきます。