1つめは色温度です。
色温度は、照明の色調を数値で表したもので、その値によって光の色が暖かく感じるか、冷たく感じるかが決まります。この色温度が私たちの日常生活に与える影響は非常に大きく、特に睡眠の質に直接関係しています。ここでは、色温度の概念を深掘りし、それがどのようにして睡眠に影響を与えるのかを詳しく見ていきます。

色温度はケルビン（K）という単位で測定されます。
数値が低いほど光の色は暖かい黄色が強くなり、数値が高いほど青白い寒色系の光となります。一般的に、家庭内で使われる照明の色温度は、約2700Kの暖色系から6500Kの昼光色までの範囲です。

このように同じ照明器具でも色温度が違うだけで見た印象も違った空間に感じませんか？
ご家庭で使っている照明も、色温度を変えるだけで印象はグッと変わります。
空間の印象づくりにおいて、色温度はとても大事になります。

また、色温度は睡眠を促進する「メラトニン」にも深く関わっています。
メラトニンとは、人間の体内で生成される睡眠を誘導する役割を持つホルモンの一種です。
日中の強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減少し、夜暗くなっていくと分泌量が増えます。
メラトニンが脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備ができたと体が認識し、
睡眠に向かわせる作用があり、色温度が低くなるほど分泌されやすくなることが検証されています。
このことから、特に青色光（高い色温度）を多く含む光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、逆に低い色温度の光はメラトニンの分泌を促し、自然な眠りにつながりやすくなるということになります。
ですので、就寝前は、低い色温度の照明を使用することで体内時計を整え、質の高い睡眠を促進することが大切です。寝室やリラックスする空間には、暖色系の照明を選ぶとよいでしょう。

シエルでは電球色をメインに使用し、色温度にこだわった照明プランを行ないます。また各部屋の用途や居住者のライフスタイルに合わせた色温度の調整を行い、最適な照明環境を提供します。
色温度による照明の選定は、単に部屋を照らす以上の意味を持ちます。特に睡眠の質を向上させたい場合、適切な色温度の照明を選ぶことが非常に重要です。シエルでは、それぞれのお客様に最適な照明環境を提供することで、快適で健康的な生活空間の実現を目指しています。

長岡 紗夕望 

2級建築士。インテリアコーディネーター。ライティングコーディネーター。窓装飾プランナー。整理収納アドバイザー。
IC課所属。住宅における空間デザインや照明、造作家具の設計等、内装デザインの提案を行う。